9月29日(日)テレビ東京で放送された「Speech! ~スピーチNo.1決定戦~」ですがスピーチが苦手な黒やん69には、中々ためになる楽しい番組でした。
9人のスピーカー(スピーチをする人)と100人の聴衆、3人のゲストで、スピーカーは、色々な経歴の持ち主で、A、B、Cの3組に分かれて、それぞれの組の1位が決勝に進出できる方法で No.1 を決める番組です。
[1].実体験を交えてのスピーチは共感するものがあり、感動を与えやすい!?
予選のスピーチは、自分の決めたテーマでしたが、私の記憶では、9人の中で自分の実体験や生い立ちなどを交えてスピーチしたのは6人で、3人は職業の延長のようなスピーチでした。
その3名は決勝進出はできませんでしたが、普段から講演とかに慣れている職業の方でした。
その中の一人は、有名塾の歴史の講師で話しなれている感じで、スピーチの内容にも興味があったので、いいと思いましたが決勝に残れませんでした。
やはり、人に感動を与えるスピーチは、話し手の体験談や生い立ちに共鳴するところがあり、聞き手にとって身近なものであり、抵抗なく共感するところが有ったからだと思います。
採点は機械がしているので、聞き手によっては評価が違ってくると思います。
各組で最高得点を取ったスピーカーが決勝に進みましたが、3人とも過去の辛かった経験から学び、それを克服できた成功例的なスピーチが高評価を得たのだと思います。
決勝は番組が決めたテーマで「結婚披露宴での友達としてのスピーチ」ということでしたが、短時間でスピーチの構想を考えて話すのは難しいと思いました。
採点も機械のみ採点ではなく、話のスペシャリスト(話し方教室の講師など)のゲスト呼んで、評価を聞きけたらいいと思いました。
[2].普段の会話における気くばり?
私が30歳のころ鈴木健二というNHKの看板アナウンサーがいました。
現在は90歳だそうですが元気で今でも執筆活動をしているそうです。
その人が書いた「気くばりのすすめ」という本はベストセラーになり、私も購入しました。
日本人は人間関係も希薄になり、挨拶や気くばりができなくなっていて、嘆かわしいという思いで、この本を出版したのでしょうか?
その本のなかで、「聞き上手、話し上手の気くばり」という項目がありました。
その中で、日本人百人に「あなたは話すことが苦手ですか」と質問すれば、百人が百人とも「はい」と答える。
いざ人前で話すとなったら、おしゃべりな女性でも、日ごろの実力の何百分の一も発揮できなくなってしまうということです。
人前で話すには、多少のコツがあって当然であり、必要なひとは話し方教室に通ったりして勉強をするのも無駄ではないと思います。
しかし、普段の会話ではそのような勉強も必要ないといったようなことが書いてありました。
普段の会話ではコツなど特にあるわけではないということです。
人と話すうえでの基本的な条件の一つとして、同じ目の高さで話すことである。
つまり、対話はあくまで気持ちの上で対等な立場からスタートしなければならないということです。
一生懸命に話をして、それを相手が真剣に聞いてくれさえすれば、それで十分話は通じるはずだと言っています。
そして、話すときも聞く時も目線が大切である。
しかし、あまりにジーッと見つめてしまっては、息が詰まってしまうので、ほどほどにしなければなりません。
[3].人前で話す時の気くばりとコツ
私は人前で上手に話ができる人が羨ましくてなりません。
先天的に話下手だと思ってきたからです。
そして、話が上手な人は何かと得をしていると思います。
しかし、好むと好まざるに関わらず、人生に何度かは、人前でスピーチをせざるを得ない機会に遭遇することでしょう。
私の経験上、一生懸命に練習しても自信が持てない場合もありますし、これで完璧と思えても、実際は満足いくスピーチができなかったりで難しいものです。
予行練習をしなければ、なおさら上手く話すことは難しいと思います。
「気くばりのすすめ」には、話す時の基本的なコツがいくつかあります。
一つ目は、声がひどく小さくてはいけない、大きな声を出せというのではなく声に勢いがあり、張りがあることである。
二つ目は、話は出来るだけ簡潔にすること。長ければ中身が濃いというものではなく要領よくまとまっていることである。
・45秒以内にまとまったものが一番良く分かる、長くても一分半である。
三つ目は、言葉のいい終わりを丁寧にすることで、品の良い言葉づかいができる。
日本語には自分のことを表現するのに、男性なら「おれ、ぼく、私、自分」など、女性なら「わたし、あたし」などが多いが、まれに「おれ」という人もいます。
最後に、自分のことを「わたくし」と表現することである。
これは覚えておくと損にならないと思います。
理由は、「わたくし」の後には悪いことばは続かないからです。
しかし、人前で上手に話をするということは、色々なプレッシャーがあり、そのプレッシャーに弱い人もいます。
特に上がってしまったり、緊張してしまったりという人は多いでしょう。
ご多分に漏れず私もそうです。
それは、自分が長らくやってきたこととか経験を積んできたことなら、自然と言葉も出てくるでしょうが、人前でするスピーチとなると、どうしても普段使いなれない言葉を使ったりするので中々言葉が出てこないことがあります。
話し上手な人は、人を引き付けて離さない。
それは聞き手が興味があるとか無いとかの話ではないと思います。
人間の根底にある魂を揺さぶるような、そういった熱気と言うかエネルギーというのが、理屈ではない心に響くものだからだと思います。
涙が滲んでくるような感動を与えてくれる、そんな話し方ができる人がスピーチの達人と言えるのではないかと思います。